鶏糞の使い方には注意!キャベツ苗が枯れた原因

秋の定植シーズン、家庭菜園でもキャベツやブロッコリーを植えたという方が増えてきました。そんな中、先日うちの直売所に、2度目の来店になるお客様がいらっしゃいました。

枯れたキャベツ苗、原因は何だったのか?

お客様のお話によると、前回購入されたキャベツ苗を植えたところ、数本が枯れてしまったとのこと。
ただ、残った苗は順調に育っているそうで、今回はその枯れた分の苗を補充するために来られました。

「虫ではないみたいなんです」とのことで、植えたときの様子を詳しく伺ってみました。

「元肥に堆肥を入れて、肥料も入れて、鶏糞も入れました」

とおっしゃるので、私はすぐに「鶏糞?」と確認しました。さらに「元肥を入れてから何日くらいで定植されましたか?」と聞くと、「10日くらいかな」との返答。

——それかな、と思いました。

鶏糞の成分と肥料焼けの関係

確実なことは分かりませんが、おそらく肥料焼け(ガス障害)が起きた可能性が高いです。

鶏糞は窒素成分が多く、未発酵の状態で使うと、分解の過程で発生するアンモニアガスや熱が植物の根を傷めてしまうことがあります。

最近は肥料価格の高騰もあって、比較的安価な鶏糞を利用する方も増えていますが、使い方には注意が必要です。

鶏糞を安全に使うためのポイント

① 施肥の時期

  • 未発酵の鶏糞は、種まき・植え付けの1ヶ月以上前に施して、土にしっかり混ぜ込みましょう。ガスや熱が抜け、根への影響を防げます。
  • 発酵鶏糞の場合でも、定植の2〜3週間前に施すのが理想です。

② 土とよく混ぜる

鶏糞を土の表面に撒くだけだと、ガスが逃げずに障害の原因になります。必ず土とよく混ぜ込み、発酵を進めてから植え付けましょう。

③ 入れすぎに注意

鶏糞は肥料成分が濃いため、多すぎると逆効果です。元肥をすべて鶏糞にするのではなく、化学肥料や堆肥と組み合わせて使うことで、肥効が安定します。

④ 土壌pHの確認

鶏糞はカルシウム分が多く、土壌をアルカリ性に傾けやすい性質があります。石灰を同時に使う場合は施用量を減らすなどの工夫が必要です。特に人参など、pHに敏感な野菜では注意が必要です。

⑤ 追肥で使うときは

追肥として使う場合は、株元から少し離れた位置に施して、土とよく混ぜるのがコツです。この場合も、発酵鶏糞を使うと安心です。

肥料は「入れすぎ注意」

肥料というのは「多ければいい」というものではありません。人間で言えば、栄養ドリンクを何本も一気に飲むようなもの。かえって体に負担をかけてしまうんですね。

野菜作りは、肥料・水・気温などのバランスがとても大切です。肥料を入れすぎても足りなくてもダメ。ちょうどいい加減を見つけるのが、難しくもあり面白いところです。

経験が次につながる

今回のように、苗が少し枯れてしまうという経験も、次に活かすことで、より上手な野菜づくりにつながります。

鶏糞は上手に使えば、とても良い肥料です。野菜の味を引き出し、土を豊かにしてくれます。大切なのは「タイミング」と「量」と「混ぜ方」。家庭菜園の方も、少し意識してみてくださいね。

まとめ

  • 鶏糞は安価で栄養豊富だが、使い方に注意が必要
  • 未発酵なら1ヶ月以上前、発酵鶏糞でも2〜3週間前に施肥
  • 入れすぎず、しっかり土に混ぜ込む
  • pHの上昇にも注意しよう

野菜づくりは奥が深いですね。これからの季節、冬野菜がぐんぐん育っていきます。皆さんの畑も順調に育ちますように!

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